お墓の承継は難しい?

荒れ墓・無縁墓

年末から年始にかけて墓地には多くの方が訪れ、お花も沢山お供えられ、いつもより少し華やかになりました。その光景は皆様のご先祖様に対するお気持ちが伝わってくるようで、感慨深いものです。しかし、中には雑草が生い茂っていたり、墓石が傾いたり倒れているお墓があります。

このように管理がされなくなって荒れてしまったお墓を「荒れ墓」。お墓に眠っている方の縁故者がいなくなってしまった、またはわからなくなってしまったお墓を「無縁墓」といいます。

 

とある市の調査によると、市有と私有の墓地にある計約15,000基のお墓のうち43%が「無縁墓」で実数にすると6500基近くが、長年管理されていないものだったそうです。この結果が湖北地域に当てはまるとは思いませんし、極端な例だとは思いますが、実際に数字で示されると驚きます。

ここで私が思い出すのが近年の「墓じまい」の依頼の増加です。墓じまいの多くは「墓守をしていたご自身が高齢になり、墓地に行けなくなった、後を見てくれる人がいない、このままでは無縁墓になってしまう」という理由です。しかし、依頼される方は、長年お参りしてきたお墓に対する思い出や、ご先祖様に申し訳ないと思い涙される方もいます。

当然お墓は永代守られていくことが良いのですが、各家庭のそれぞれの都合で「墓じまい」を余儀なくされることもあるかと思います。お墓を片付けてしまう無念さは非常にわかりますが、それ以上に「荒れ墓」「無縁墓」にしてしまうことは、ご先祖様に対して失礼なことだと思います。従来のお墓以外にも新らたなの形はあります、決して墓じまいすることはダメだとは言い切れません。