お盆にはなぜお墓参りをするのでしょう?~浄土真宗編~
今年は梅雨が長引き、現場の仕事が思うように進まない日々でしたが、今週でようやく梅雨明けし、これからが夏本番です。
石材業界の仕事はお盆までが一つの区切りになり、そこまでに完成しなければならない仕事が沢山あります。なぜならお客様はお盆にお墓参りをされるので、それまでにお墓の建墓やリフォームなど、間に合うように工事を進めていきます。
明日からお盆までの2週間がラストスパートです。
ここでふと疑問に思うことが、なぜお盆になるとお墓参りにいくのでしょうか?
日本の伝統的な仏事である「お盆」と言えば、年に一度、家に戻ってくるご先祖さまをお迎えし、供養するもので、仏教であれば、どの宗派も同じだと思っている方は多いかもしれません。
しかし、実は宗派によってお盆に対しての考え方の違いがあり、お盆の過ごし方やお盆そのものの考えに対しての捉え方が違います。
特に、浄土真宗のお盆の過ごし方には特徴があります。
今回は、浄土真宗ならではのお盆の過ごし方についてご紹介します。
浄土真宗のお盆
浄土真宗のお盆では、ご先祖様が戻ってくる準備をしたり、お迎えしたりしません。そのため、精霊棚(盆棚)を用意したりや迎え火や送り火も焚いたりもしません。
浄土真宗の教えとして、親鸞聖人の教えをもってこの世で命をまっとうしたご先祖は、お盆の時だけこの世に戻り、子孫の供養を受けるような方ではないとされているためです。
人は亡くなると地獄に落ちるなどということはなく、浄土に往生し、仏様になるとされているのです。
しかし、お盆の時期に何もしないわけではありません。
浄土真宗は、この時期にお盆のことを「歓喜会(かんぎえ)」とも言い、仏法を聞かせて頂く日となります。法話会がお寺で開かれたり、自宅に僧侶を招いて仏法を聞いたりします。
この時期に法話会が開催されるのは、亡くなられた方をご縁に、阿弥陀如来に慈悲を仰ぎ、お念仏に感謝し、喜ぶ人になるためです。
また、お盆にお墓参りをすることで、同じタイミングで帰省した兄弟や親戚とお互いの近況報告し家族・親戚の絆をより一層深めていただくことができます。
今年は新型コロナウイルスの影響でなかなかお盆に帰省することが困難かもしれませんが、是非ともお墓参りをしていただきたいものです。